※今回は車椅子ユーザーの仕事や転職について障害者のMさんにお話を聞きました。
一般的に障害者は就職ができない、また就職がしにくいというイメージがあります。
車椅子ユーザーは、特に移動が困難そうなイメージもあるために仕事がないと思われることも多いかもしれません。
私も現在は就労継続支援を利用しながら仕事を探しておりますが、家族や友達から「本当に就職できるの?」とよく言われます。
何件かの施設を経験して見た所と、SNSで情報を見たところだとやはりみんな就職に苦労しているなという印象です。
しかし一方では、障害があっても健常者と同じように、いやそれ以上とも言えるくらいパワフルに働いているような人もたくさんいます。
障害があると就職は難しくなることは事実ではありますが、全くできないというとそんなこともないのです。
今回はなぜ車椅子ユーザーは就職できないというイメージがあるのか、またそんなイメージを払拭して就職するためにはどうすれば良いのかを考えていきたいと思います。
なぜ車椅子ユーザーは就職できないというイメージがあるのか
最近は車椅子の人のドラマや映画なども増えてきています。
また、パラリンピックの選手の特集もよく組まれており、車椅子でも普通に仕事やスポーツなどを行なっている様子が紹介されています。
しかし、以前は車椅子がテレビで登場するのは病院のシーンにちらっと映る感じのものがほとんどだったと思います。
私も買い物をしていたら知らないお子さんに、「病院にいる人だ」と指をさされたことがあります。
車椅子=病気や怪我を負っている人
このようなイメージを持っている人は未だに多く、そのイメージが仕事とは結びつきにくくしているのかもしれません。
実際に車椅子で生活する原因には、病気や怪我は多いですが、車椅子での生活は続けていくことになっても、働ける状態まで回復をしている状態である人は多いのです。
車椅子ユーザーに接したことのある人なら、車椅子でも元気に生活していけることは見て分かっている人が多いですが、それが就職のイメージに繋がるとは限りません。
それには例えば、以下のような理由が挙げられます。
・実際に働けていない車椅子ユーザーが多い
様々な要因で働けていない車椅子ユーザーは実際に多いです。
体調の関係で働ける状態ではない人もたくさんいらっしゃいますし、働くことができる体調であっても通勤が困難であったり、近くに車椅子で働ける仕事がなかったりと、結局働けないという人もたくさんいらっしゃいます。
社会人になってから車椅子ユーザーになると、多くの場合はそれまでの仕事を辞めなければならなくなります。
そこからリハビリ等を経て社会復帰できる状態にまで回復するには年単位の時間がかかる場合が多いので、どうしてもブランクができてしまい、それも就職へのハードルとなってしまう場合があります。
体調や病状の問題だけでなく、バリアフリーが行き届いていない場所が多いことも車椅子ユーザーが働けない要因になっているのです。
・就職するためのハードルが高い
車椅子で働くためには、通勤ルートと職場、どちらもバリアフリーが整っていなければなりません。
もちろん、環境面も大事ですが車椅子ユーザーにだって身体の特性だけでなく、自分に向いている職業、不向きな職業があるわけです。
事務やコールセンターなどは座ってできるため、よくオススメされる仕事です。
しかし、車椅子でもそのような仕事は向いていない場合も多いですし、むしろ立ち仕事のような仕事が本来は向いているという人ももちろんいます。
車椅子ユーザーということで選択肢が狭まってしまいますが、それでも自分にあった仕事をを選ばなければ続かないわけです。
自分の適職と職場の環境、2つの要因がフィットしないと良い職場に巡り会えないため、車椅子での就職のハードルが高くなってしまうのです。
・通勤のハードルが高い
車椅子ユーザーは職場だけでなく、通勤ルートにもハードルがあります。
坂道の多い場所では車椅子を漕ぐのが大変なので、坂の多い場所に位置する会社では通勤だけで体力を消耗してしまうかもしれません。
電車やバスでは乗る際に段差があるので多くの車椅子ユーザーは駅員や運転手にスロープを出してもらいます。
電車の場合、混んでいるときは駅員が捕まらなかったり、捕まっても降りる駅への連絡のためと待たされてしまったり、満員の場合は何本も電車を逃さなければならなかったりと健常者よりも時間がかかってしまいます。
バスの場合も、満員の場合は次のバスを案内されてしまいますし、そもそも車椅子でも利用できるノンステップバスは本数が限られており、すべてのバスに乗れるわけではないのです。
車通勤の場合も、会社の近くに車椅子の乗り降りが可能な十分なスペースを確保した駐車場が必要です。
通常のコインパーキングや月極駐車場ではほとんどありませんので、会社に車椅子用駐車場があり、且つそれを使えなければ厳しいでしょう。
車椅子での就職がまだまだ高い部分があることから、車椅子での就職はできない、難しいと言ったイメージを持たれるのだと思います。
車椅子ユーザーが就職するには
就職のイメージが薄い車椅子ユーザーですが、就職するにはどうすれば良いでしょうか?
・就職するためのバリアが少ない場所を探す
車椅子で就職するためには、職場環境が大きなネックになってしまいます。
数は少ないですが、車椅子でも働ける環境が整っている企業を地道に探しましょう。
・手に職をつけて車椅子がハンデにならないような知識や技術を身につける
車椅子でも、「この人がいないとダメだ」と企業側が思えばたとえ環境が整っていなくてもなんとかしてくれるものです。
そう思わせるような資格や技術を身につければ、車椅子だからと採用を断られることはなくなります。
・家で働く
車椅子ユーザーにとって就職が困難な理由に、通勤の困難さがあります。
それであれば、在宅ワークやテレワーク等を利用して、家で働くという選択肢がありでしょう。
在宅で働くとなれば、車椅子に必要な環境も整えることが可能ですし、通勤で大変な思いをしなくて済みます。
・就労継続支援等の障害者向けの施設に通う
こちらは就職ではないですが、就労継続支援施設では一般就労を目指しながら月に数万円程度の工賃を稼ぐことができます。
障害者のための施設なので、バリアフリーが整っていたり、整っていない場合でも整えてくれる場合が多いです。
障害の特性に合わせた作業を行いながら、就職のためのサポートを行ってくれ、さらに工賃を得ることができます。
A型とB型があり、A型であればその地域の最低賃金が支給されるため、障害年金や生活保護費と合わせて自立して生活している方もいらっしゃいます。
体調に変動があったり、通院の関係で一般就労が難しいような場合にも、社会参加が可能です。
なお、これまでどこかの企業に勤務したことがある方は、障害者雇用専門の転職エージェントの登録もオススメできます。
無料で登録できるサービスで、様々な人材会社がサポートを行っています。
まとめ
車椅子ユーザーの就職は確かに厳しい面もたくさんあります。
仕事がないというのも健常者と比べればそうでしょう。
車椅子で働くためには、バリアフリーの環境が整っていなければならないからです。
しかし、それでも可能性はゼロではありません。
確かに車椅子で働くためには職場の環境等様々な外的要因にも目を向けなければならないので、選択肢が限られてしまうのが現状ですが、車椅子ユーザーが働けるようにサポートしてくれる機関は行政でも民間でもたくさんあります。
ハローワークや転職エージェントなどは、就職希望者の希望や特性にあった仕事を見つけ就職までサポートしてくれます。
環境面も少し改善すれば働けそうな場合は、改善の交渉を行ってくれる場合もあるので、心強い存在です。
このようなサポートを上手に活用することで、就職のハードルがぐっと下がってくるでしょう。
障害があっても社会で活躍したい気持ちを持っていれば、いつか希望の職種に巡り会えるはずです。
希望を捨てずに頑張りましょう!
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