※今回は車椅子ユーザーの仕事や転職について障害者のMさんにお話を聞きました。
車椅子ユーザーにとって仕事を探すのはまだまだ難しい場合が多いです。
仕事の内容的にはできそうなものでも、職場の環境が整っていなくて断られてしまうことも多いからです。
私(M)も車椅子で生活をしておりますが、面接の前の問い合わせの段階で、「事務所が2階でエレベーターがない」、「通路が狭い」、「トイレが車椅子では入れない」などの環境面の理由で断られてしまったことが何回もあります。
<しかし、環境面は2020オリンピック・パラリンピック開催に向けて徐々に改善されつつあります。そんな今は車椅子ユーザーにとって就職のチャンスが増えてきているかもしれません。
実際に車椅子でも社会で活躍している人はたくさんいます。
そこで今回は車椅子でも働ける職場・仕事をまとめてみました。仕事探しの参考にぜひご覧ください。
車椅子の障害者が仕事をするために必要な環境
車椅子ユーザーが働くためには、そこで働くための能力や素質、適正や経験だけでなく、環境もとても大切になります。
いくら仕事内容が自分にピッタリでも、働く場所がエレベーターのない2階以上だったりしたら通うことができません。
このように。環境に左右されてしまうために車椅子ユーザーの就職は難しいと言われてしまうのです。
車椅子で働くためには、以下のような環境が必要です。
・車椅子でも余裕を持って通行できる幅の通路・2階以上の場合はエレベーターがある
・入口に段差がないこと、またはスロープがあること
・車椅子でも入れる広さのトイレ
・よく使うものが車椅子でも手の届きやすい場所に置いてある
・できれば車椅子でも開け閉めしやすい引き戸
・公共交通機関の便が良いことOR車通勤の場合は駐車場の幅の確保
車椅子ユーザーといっても少しは歩ける方から手にも障害がある方まで身体の状態は様々なので、個人差はありますが大体上記のような環境が必要です。
環境は建物の構造上どうにもできないものと、会社の人の配慮でどうにかなるものがあります。
ですので、バリアフリーの環境が整っているオフィスは大前提ですが、さらに職場の人の理解も必要になるでしょう。
では、これらの環境がクリアできたとしたら、車椅子ユーザーはどのような仕事ができるでしょうか?
車椅子ユーザーでもできる仕事
・事務職
車椅子でもできる仕事といってまず多くの人が思いつくのが事務職です。
私も周りから「事務ならできるんじゃない?」と勧められました。
事務職は基本的に座り仕事なので車椅子でもできる業務が多いです。
パソコンや電話応対等の作業は車椅子に座ったままでもパフォーマンスを発揮できるでしょう。
しかし、会社によっては事務の人が倉庫に重い荷物を取りに行ったり、お茶汲みをしたりといった車椅子では難しい業務もしなければならないこともあるため、面接前に確認をしておく必要があります。
・フリーランス
最近はクラウドソーシングの発達もあり、健常者でもフリーランスとして活躍している人が増えてきています。
フリーランスであれば、会社の環境を機にする必要がないので、車椅子でも仕事がしやすいです。
クラウドソーシングで有名なのが、「ランサーズ」や「クラウドワークス」です。
サイトを通して仕事も金銭の授受も管理できるので、お互いに安心して取引できます。
WEBライター、イラスト、HP作成など様々な案件があるので、自分にできる仕事を自分のできる範囲で受けることができます。
車椅子利用者の生の声や、福祉関連のHP作成など、車椅子ならではの案件に出会えることもあります。
アンケートなどの簡単なものは単価が低いですが、自分の頑張り次第で会社員よりも稼いでいるフリーランスもたくさんいます。
車椅子が不利にならない、案件によっては武器にもなる、フリーランスは車椅子ユーザーにとって健常者と変わらないパフォーマンスが期待できる働き方だと思います。
・プログラマー
プログラミングはパソコンに向かう仕事なので、車椅子のままでもできます。
企業に常駐する場合はその会社の環境次第のところもありますが、技術職なので腕さえあれば環境面も企業側が考慮してくれる可能性もあります。
また、独立してフリーで活躍しているプログラマーなら環境は関係ありません。
営業もネット上でおこなうことで、車椅子でも技術次第で稼げる可能性のある仕事です。
・車椅子モデル
車椅子でモデルやタレントとして活躍している人が最近増えています。
障害者のタレント事務所ができたり、オーディションが開催されたりしており、テレビやネット、各地のイベントなどで活躍されています。
今は多様性の世の中、今後車椅子モデルたちの活躍の場はどんどん増えていくのではないでしょうか?
・コールセンター
コールセンターでの電話業務も座り仕事なので車椅子でも勤務可能です。
職場環境にもよるため、まずは応募先に環境面で問い合わせると良いでしょう。
・就労継続支援A型・B型
就労継続支援施設とは、障害者や難病の方が継続して仕事ができるようにサポートしてくれる施設です。
A型は雇用契約を結び、最低賃金が保証されます。
その分求められることも多いです。
B型は雇用契約は結ばず、施設に通うこと、集中して作業に取り組むことを目的としており、最低月額3千円は保証されますが、それ以上は仕事次第の出来高払いとなります。
障害者の施設なので、車椅子でもできる仕事を割り振ってもらえたり、できない部分はサポートしてもらえたりします。
私もまずはB型で体力をつけ、その後A型に通いながら就職先を探しています。
地方では車椅子でも働ける環境が整っている職場を探すのが困難なので、まずはこのような施設に通いながら、一般企業の就職先をゆっくり探すのも良いと思います。
・テレワーク
働き方の多様性により、職種によっては一般企業でも職場に通わずに自宅で勤務できるケースが増えてきています。
アマゾンやアップルのコールセンターでは定期的に在宅の仕事を募集しています。
車椅子ユーザーにとっては通勤もなかなか大変です。
電車は駅員にスロープを用意してもらうのに時間がかかりますし、バスはノンステップバスの本数が限られています。
また、満員電車では嫌な顔をされてしまうことも多いのです・・・
在宅で働くことができれば、通勤のストレスもなく仕事に集中することができます。
・車椅子屋さん
車椅子の業者でも車椅子ユーザーが働いている場合が多いです。
毎日使用しているものなので、自然とお客様の立場に立って接客ができるので、お客様からの印象も良いです。
車椅子は買うときに家や病院に業者をよんで購入するケースが多いので、外回りが多くフットワークの軽さが求められますが、活動範囲の広い車椅子ユーザーであれば大丈夫でしょう。
特に、オーダーメイドの車椅子は車椅子業者の腕次第で乗り心地が大きく変わります。
人に感謝をされる、とてもやりがいのある仕事だと思います。
なお、これまでどこかの企業に勤務したことがある方は、障害者雇用専門の転職エージェントの登録もオススメできます。
無料で登録できるサービスで、様々な人材会社がサポートを行っています。
まとめ
ということで、今回は車椅子で働ける仕事をざっとまとめてみました。
車椅子でも働ける仕事の内容はたくさんあると思いますが、どうしても環境面で働ける場所が限られてしまいます。
ただ、環境面だけで考えてしまうと自分に向いている仕事とは限らないのがまた難しい部分です。
しかし、会社側が適性があると判断してくれれば障害者雇用だけでなく、一般でも雇ってくれる可能性もありますし、環境面は整えてくれる可能性もあるので、まずは気になる仕事があれば問い合わせてみるのが良いでしょう。
また、最近は会社に通勤するだけでなく、フリーランスやテレワークなど、自宅でできる仕事も増えてきています。
自宅でできれば、職場の環境の心配もいらないので、自分のパフォーマンスを思いっきり発揮できます。
働き方も多様性の現代では、車椅子ユーザーにとって働きやすい環境が整ってきていると思います。
障害があるからと諦めずに好きな仕事ができ、人生がより豊かなものとなりますよう心から願っています。
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